齋藤孝著 夜型人間のための知的生産術を読んだ.
齋藤先生も夜型らしい.内容は,これまで読んできた齋藤先生の本にあるように,
- とにかくたくさん本を読む
- アウトプットもする.それも人が唸るようなものを書こうと努力する
- 呼吸を整えて,肝の据わった人になる
というような,いつもの自分を磨く方法が書かれている.本書の特徴は,それらの方法や効果を説明するのではなく,それをする時間に注目している点だ(なので,方法は他の本を読んで補うべき).先生の体質と体験から夜にする場合に焦点が当てられ,先生の経験と夜型の偉人たちの逸話をもとに説明されている.
世間では朝型がもてはやされているので,その逆張りでもある.
昔から早起きは三文の徳,と言うし,最近では,ティム・クックの起床は3時45分という話もある.
しかし,近年の研究で,朝型か夜型かは遺伝子が大きく関わっていて,体質なので変えようとしても仕方がないらしい,ということがわかってきた.
そうすると,朝型は朝型なりに,夜型は夜型なりに,それぞれ特徴を活かしながら頑張っていくしかない.
本書を読めば,夜型の人は自分にあった鍛錬の方法が見つかるかもしれないし,朝型の人は夜型の人はそう考えるのか,とかそんな努力をしているのか,などと夜型の人への理解が深まるかもしれない.
ただ,本書には今まで読んできた齋藤本と比べて,主張にやや歯切れの悪さを感じた.それは, 世間には夜型でない人もいて,それでも成功している人がいるためではないか.
例を挙げるとすると,夜に創造性を発揮した作家としてバルザックを上げている.夜,書いて,朝,校正するタイプだったらしい.でも,作家こそ,いろいろなタイプがいる.例えば村上春樹は午前中にしか仕事をしないという.そうすると,夜じゃないと創造性が高まらないわけではないよね...と思ってしまうのだ.
夜とか朝とかにこだわらず,それぞれがそれぞれのゴールデンタイムを持っているはずなので,成し遂げたいことを常に頭の片隅において,どの時間に何をするといいのか,考えなさい,というのが,この本から学ぶべきことなように思う.
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