2019年10月7日月曜日

読書記録 ココまで変わった学校の教科書



コンデックス情報研究所編著 いつのまに?! ココまで変わった学校の教科書 昭和〜平成〜令和で驚くほど書き換えられていた を読んだ.

表紙にあるように

  • 仁徳天皇陵古墳は今は大仙陵古墳と呼ぶ
  • My name is Ichiro Suzuki. ではなく I am Suzuki Ichiro.
  • 恐竜は絶滅ではなくその一部が鳥類に進化した
というような教科書変わったよ,ということを1件2,3ページのペースで紹介してくれる.
科学における新発見(恐竜と鳥),歴史上の発見や解釈の変化(仁徳天皇陵),文化の変遷や異文化の尊重(英語でも名前は姓名の順)によって教科書は今も変わり続けている.子どもと話すときに,正誤表(誤りではないんだけど)みたいに利用できて良さそう.



しかし,読んでいて疑問も残る.鳥と恐竜では足の指の付き方が違うので,(羽毛があったとしても)恐竜は鳥の祖先ではない,という主張を2000年頃に見たような気がするんだけど,あれはどうなったのか.

また,個人的には,日本最古の貨幣は和同開珎ではなく富本銭というのに地味にショックを受けた.Wikipediaをみると,確実に広く流通した最初の貨幣は和同開珎となっていた.新しいことがわかると条件がどんどんついていく.テストではどっちが出るのだろうか.

すでに有名な変更もカバーされていて,鎌倉幕府は1192ではなくて1185とか,冥王星は惑星ではなくなった,というのも紹介されている.一応ニュースで知っていたのだけれど,本書では理由もわかりやすく説明してくれているので,読み物として楽しめる.

ちなみに鎌倉幕府の成立年が変わったのは,征夷大将軍に任命された年(1192)を起点とするのではなくて,守護地頭を全国においた年(1185)を起点とするようになったから.冥王星が惑星でなくなったのは,観測技術の向上によって同じくらいの大きさの天体が見つかったことがきっかけ.惑星の定義が見直されて,冥王星は太陽系外縁天体となった.惑星の定義,皆さんは御存知でした?私は知りませんでした.

あと地味に面白かったのが「教科書体」というフォントの紹介.小学校の教科書でしか使われないフォントがあったなんて.たしかに見ると懐かしい気持ちになった.


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