岡崎琢磨著「珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは」を読んだ.事件簿1,事件簿2からの続き.
今回は関西のバリスタがその技術を競う「関西バリスタコンペティション」が舞台だった.このコンペは歴史は浅いものの大手食品メーカーが後援し,賞金額が大きく,注目度も高い.
タレーランのバリスタ切間美星も,予選をくぐり抜けて初めて決勝に進出するが,そこで異物混入事件が発生し,助手役のアオヤマも容疑をかけられてしまう.切間バリスタは,コンペでの戦いを続けながら,真犯人を推理する.
アオヤマと切間バリスタの関係は相変わらずな感じで,安心して掛け合いを楽しめる.
一方で,今回はこれまでの話とは違い,事件性の高い物語だった.
よりミステリーっぽくなったというか.
これはこれで良いと思うのだけれども,なんとなく読後感が悪いように感じる.
個人的な印象だが,たぶん,舞台設定の問題なんだと思う.異物混入事件が発生したのに続けられるコンペって,今の時代には感覚的にありえない,と思ってしまった.安全とか,倫理とか.小説とはなかなかに難しいものだと思った.
今回もいろいろなコーヒーの知識が披露された.
「ピーベリー」についてはこの本で初めて知った.
いろんなこだわりがあるんだね.
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