内容はタイトルそのままで,いろいろな投資の指標について解説されている.
ただ,漫然と説明するのではなく,投資における意思決定の順に,ストーリー付けられているのが本書の特徴.なので,わかりやすくて,役に立つ感じがすごい.
そのストーリーというのは,全体を見てから細部に入れ,というもの.
つまり,まずは世界や日本の経済の分析,次は個々の企業の分析,最後に株価の分析となる.
以下,紹介されている指標の一例を挙げる:
経済分析の指標
基本的に政府の発行している統計を見る.
- 消費支出2人以上世帯 前年比:総務省が発表.家計の消費支出はGDPの約6割を占めている.
- 現金給与総額 全産業 前年比: 厚生労働省が発表.基本給+残業代,賞与など給与の総額.
- 景気動向指数(CI):内閣府が発表.生産や雇用などの経済活動の指標を29種統合.
企業分析の指標
基本的に財務三表(賃借対照表BS,損益計算書PL,キャッシュフロー計算書CS)を見る.
- 営業利益: 本業での実力値.
- 流動比率: 流動資産と流動負債の割合.流動負債の割合が多いと倒産の危険性が高まる.事業ドメインごとに目安がある.
- ROE: 自己資本利益率(Return on Equity).投資家が預けたお金で効率よく利益を稼げているかの目安になる.
- ROA: Return on Asset.ROEと違って,分母が資産全体.負債と純資産の両方を見ることになる.
- キャッシュフローマージン: 売上高にたいしてキャッシュを稼ぐ力.
- フリーキャッシュフロー: 会社が自由に使えるお金.
株価分析の指標
たいていネット証券のサイトなどで見られる.
- PER: 株価収益率.純利益と株価の関係.あまり高いと期待されすぎのサイン.
- EPS: 純利益と発行済株式総数の関係.EPSが高まると収益率が高まったということ.
個々の用語についてはネットで調べることが可能なのだが,それらをつなげて判断をするには,ストーリー付の流れが必要だ.本書はその良いガイドになってくれる.
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