2019年6月27日木曜日

読書記録 サバイバル英文法 「読み解く力」を呼び覚ます

関正生著 サバイバル英文法 「読み解く力」を呼び覚ます を読んだ.
著者は,人気の塾講師で,英語に関する著書を多数書いている.



本書ではサバイバルキットのように最小限の道具で,英語の「森」を生き抜くすべを教えている.型にはまったルールよりも,より広く通じる英語の感覚を教えてくれていてなるほどなぁと思った.

例えば,本書では
「定冠詞の'the'はみんながせーのでこれ,と指をさせるもの」
と教えている.
従来の「一回目は'a',二回目は'the'」というルールも,それに当てはまるし,また,太陽が'the sun'になったり,アメリカが'the United States of America'になるのもそう.

このように,本書では冠詞や名詞の可算,不可算,時制,文型,仮定法,助動詞,受動態,倒置などについてわかりやすく,また応用範囲の広いイメージを教えてくれる.

仕事だと,英語でお願いをしないといけなくて,そのときに役に立ちそうなのが'suggest型'の説明と'should'の語感についてだった.

suggest型とは,SV that 〜の形を取り,Vの部分に提案や命令の意味の動詞が来るパターンだ.で,イギリス英語だと〜の部分にshouldが来て,アメリカ英語だとshouldはなくて動詞が原形になる,というルールがある.

イギリス英語でshouldが来るのは,that節内が現実におきていないこと(=反事実)であるため.なので,このshouldは仮定法のshouldだ,ということ.次にアメリカ英語で原形になるのは,単純に命令文だ,と.

両方とも,命令が起点になっている.このイメージがあれば,時間が立っても芋づる式に記憶を掘り出せそう.

助動詞shouldについてはあまり使わないようにしようと思った.まずshouldはshallの過去形である.本書では,shallが聖書で使われている例(神の意志を元に…する)を説明し,shallのイメージを付けたあと,shouldの過去形には仮定法(反事実)のニュアンスが含まれることを説明し,shouldを「すべき」と覚えない方が良いと教える.shouldは(本来ならば)...して当然というかなり強い意味を持っているのだ.

これを読んで,仕事ではshouldは使わないようにしようと思った.

全編を通して良いなと思ったのは例文のチョイスだ.
単純すぎず,複雑すぎずで,例文を読むと範囲などに学びがある.
手元において,都度読み返したい本である.

読解編もあるみたい.読みたい.
 

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