京都の喫茶店「タレーラン」が舞台で,主人公の「アオヤマ」と美人バリスタ「切間美星」の出会いから物語は始まる.表紙からも想像されるように,ミステリーと言っても密室殺人とかそんな重いものではない.
ライトノベル的に気楽に読めるし,謎解きもしっかりあるし,またコーヒーのうんちくは勉強になるし,京都の観光も楽しめるという一冊で何度も美味しい本である.
なお,タイトルのタレーランはコーヒーに一家言ある著名人.
タレーランはフランスの政治家・外交官で,美食家としても有名. 僕の好きなマンガの「大使閣下の料理人」にも「料理外交」を代表する人物としてしばしば登場する.なので,珈琲店バルザックの事件簿だったら,多分読んでなかったですね.
「良いコーヒーとは,悪魔のように黒く,地獄のように熱く,天使のように純粋で,そして恋のように甘い」
という言葉が紹介されている.
ここで,甘いとはエスプレッソに入れた砂糖の甘味だそうだ.
本場イタリアでは,砂糖を入れるのは当たり前で,ブラックで飲むと変な目で見られるとか.
……ええ,私はブラックで飲んでいました.モグリですね.
本書の難点としては,ところどころに鼻につく表現があることだ.例えば「んぐぁ」とか.話が盛り上がっているところで多用されるので余計に気になった.勘弁してほしい.
NG表現をOK表現に変換するSeq2seqとかできないかな,とふと思いついた.
それはさておき,本書は文章がしっかりしていて読みやすく,通勤のお供にはもってこいの良書だった.読後感も良かった.続編が5巻まででているので,順次読んでいるところだ.
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