著者は国税局のOBで,現役時はマルサ(査察部)を超えるリョウチョウ(資料調査課)という舞台で数々の脱税を暴いてきた.今は税理士として活躍している.
前半には,典型的かつ伝統的な脱税の手口が書かれている.トーゴーサンピンとかそういう話だ.
後半が本題で,富裕層のバレない脱税について書かれている.タックスヘイブンを使った租税回避とか,金塊の輸出入を繰り返して消費税を抜くとかそういった手口だ.
読む前はタックスヘイブンは複雑そうなイメージを持っていたが,基本は単純だった.
- 所得税がかからない国に資金を持ち出す.
- その国で資金を運用して,利益を受け取る.
- 以上.
日本では利益が確定するときに税金が発生してしまうので,日本ではなく現地での活動にすることが重要.現地での活動と認めさせるために,法人を作ったり,運用も特別な生命保険を使ったりと手間もお金もかかる.
また,取り締まりの方も強化されていくので,去年まで使えた手法が今は使えない(=脱税,犯罪),ということが起こり得る.いたちごっこなのだ.
GAFAくらい儲かっていて,かつ研究開発費によってシェアが大きく変わり得る状況にいるならペイするだろうが, そうでないなら割に合わないだろうなぁ,と思った.
0 件のコメント:
コメントを投稿