2019年7月7日日曜日

読書記録 かぐや姫はいやな女

椎名誠著 かぐや姫はいやな女 を読んだ


この本は,いろいろな雑誌に掲載されたエッセイ集である.
2016年の発行で,著者も自分で自分のことを「老人」と呼んでいたりするが,まだまだ元気そうで,中学校からのシーナファンとしては読んでいて嬉しかった.

タイトルのかぐや姫については,実はかぐや姫がエイリアンだったという設定での昔話再解釈SFである.親しみのある話に一つ仮定を持ち込んで異常な世界に導く話の一つだ.SFマガジンに掲載されたもの.

その他にも,酒の話,雑魚釣り隊の話,トイレの話,馬での牛追いの話,などタイトルとは関係のない話が雑多に集められている.そのうちいくつかは,別の本で詳しく述べられているが,本書では著者自身による解説がついているのが貴重.

また,昔は「コンクリートで海や川を埋めまくってけしからん」という主張だったが,本書では一歩進んで「それでも雲や風は変わらない」と変わるもの,変わらないものの両面からの言及があったのが興味深かった.

こうやって,多面的に物事を見られるようになるなら,歳をとるのも悪くないな,と思う.

0 件のコメント:

コメントを投稿

幻の黒船カレーを追え

水野仁輔著「幻の黒船カレーを追え」を読んだ 。「 銀座ナイルレストラン物語 」( 読書記録 )を読んで、同じ著者が出しているカレーの物語、ということで本書を読んでみた。  今回の感想はややネタバレ気味なので、新鮮な気持ちで読みたい方は、この先を読む前に、本を読んでほしい。  で...